オリエンテーリング。
名前くらいはきいたことがあるかな。
地図とコンパスを片手に、決められたポストを探してゴールするという競技。
いろいろな種類がある。
いまもいろいろなところで競技が開催されていると思うが、ブームかどうかわからない。
かくいう私は、オリエンテーリングの指導員の資格を持っていた(過去形)
好きで取得したわけではない。ボーイ活動に活かすためである。
地図読みが苦手なスカウトに楽しさを教えるには、オリエンテーリング競技が一番。
みんな夢中になる。
初めての大会参加でも、ボーイスカウトたちはけっこう上位に入賞してくる。
でも、本格的なオリエンテーリングまでは深入りしていない。
友人に大学選手権で何度も入賞経験のある人がいる。
彼いわく、上位レベルになるとコンパスなどは使わないらしい。
地図をぱっとみただけですぐに走り出す。勝手に走るわけではない。
自分の歩幅などは頭にあって、分単位で何メートル進むかわかっているから、それをもとに
ポストの位置まで移動するのだそうだ。等高線などもきちんと計算できている。
まあ、なんでもつきつめるとすごいね。
その点、スカウトとなると地図記号をおぼえるだけでも大変。
でも。社会の勉強にはなるね。最初はそこから。
ゲームよりよっぽど面白いと思うな。戦略と体力が必要だ。
昔、ボーイスカウト豊中地区で広範囲なオリエンテーリング大会を実施したことがある。
私は本部として待機していた。
スカウトは班ごとに回ってくる。範囲が広いから、指導者同士は無線機で連絡を取り合った。(携帯のない時代)
ある団のスカウトたちが遅れながらも息せき切って戻ってきた。
そこで、こんなエピソードを耳にした。
なんでも道に迷ってしまって途方にくれていた。まわりは田んぼだけ。
殺風景な山里の中。ここはどこなんだろう。地図は持っているが、現在位置がわからない。
やがて、1軒の農家を見つけてそこにいたおばあさんに声をかけたらしい。
スカウトたちの話を聞いていたおばあさんは、それ貸して。
と。スカウトの持っていたシルバコンパスを持って、北はこちら、あの山はこれ。
現地点はここ。進むべき道はあちら。とコンパスで地図を示しながら教えてくれたそうな。
スカウトたちは目を丸くして聞いていたそうだ。
人は見かけによらぬもの。
スカウトは感謝の心を持つ。
弥栄