窓の外からセミの鳴き声を耳にした。
ああ、もう夏だな。
これでもかっていうくらい鳴いている。
関西ではクマゼミが多いから、ガシガシと騒がしい。
かつて、ベンチャー隊で原生林でキャンプしようということになった。
原生林というが、ようするにド田舎である。当然、携帯の電波は入らない。
圏外である。
さあ、そこでどんなキャンプをするか?
スカウトたちは全員高校生。
現地で食べ物を調達しようということになった。
川べりでテントを設営していたので、ペットボトルを利用したワナを作った。
小魚をゲットしようと。
しかし、魚もバカじゃないから、そんなワナには引っかからない。
と、見たらカニが一匹引っかかっていた。
一方、付近を見渡すとセミが鳴いている。
たしか、沖縄方面ではセミを食べるそうですよ。←それは戦時中で食べ物がなかった時代の話
フライパンで炒めて食べましょう。
ま、ぼくは気が進まなかったがスカウトたちは本気だった。蝉の食べ方を事前に調べてきたらしい。
しかしだ。木の上のほうにいる蝉を採ることができなかった。
けっきょく、カニをダッチオーブンでキャベツやらカレールーやら打ち込んで、いっしょに食べることに。
こんなときにダッチオーブンは重宝する。なにせ、調理しなくていい。
セミが鳴き始めたら、そんなことを思い出す。
弥栄